ACコンデンサ円筒形ホーム


文字サイズの変更: | | |
ACコンデンサの並列接続

電気工事士としての現役の仕事を終えたのは、今からもう20年くらい前のことになるだろうか。前の実店舗会社(パーツショップ)を退社して、現在のネットショップであるフルカワエレクトロンを創立して間もない頃、1999年に委託された制御機器の配線作業および組立製作が最後の仕事だったような気がする。それ以降はパソコンでの仕事が主体となって、いつの間にか電子部品販売の通販ショップへと変わっていった。回路図を見ながらエレベーターの保守点検作業や一般家屋新築の際の電気工事配線などもしていた頃は、遥か遠い20代の頃なので、並列回路などの図面を書くのは、何だかおこがましいような気がしないでもない。現在ネットショップを運営している2階建てコンクリートビルの2F賃貸自宅とは別の、石英閃緑岩を使った石垣の和風建築一軒家の本宅は、大工だった父が建てたもので、二次側の屋内電気配線は電気工事士の資格を取得した息子の私が当時一人で全部施工したものである。電気工事を請け負う会社勤めをしていた時期でもあったので、実技試験は楽勝だったような気がする。筆記試験は技能開発センターで勉強してパスした。

この頃、ネット販売でよく相談を受けるジャンルのなかで、ACコンデンサの交換作業について相談事例の一つを取り上げることにした。拙い回路図面を下に書いてみたのだが、回路設計は本業ではないので拙い箇所はご勘弁していただきたいと思う。今回の要望は、ACコンデンサでAC200V用の80μFはありませんか、というものだった。以前から時々、当店在庫リストに無い容量のものを要望されることがあり、要望される相手に応じて、電気に詳しければ応じたり、電気のことが通じない方には御遠慮していただいて来た。電気法令遵守というものがあり、安易に電気修理されるとケガを負ったりヤケドしたり危険が伴う世界なので、私はなるたけ会話やメールでの文章から判断するようにしている。いくら修理の意気込みがあっても、素人技術を見抜いた場合は、相手にケガや火災事故に巻き込まれないよう人災損害補償の観点から御遠慮させていただいている。これは私の過去の経験から譲られない。電気工事士の先輩たちから厳しく教わって来たからだ。

ただし、会社の営業やそれなりの自己責任で購入される場合は、問題なく販売している。いくらネットショップとはいえ、何でも売れればいいというものではない。こちらにだって販売責任が伴うし、商売は誠実でなければならない。また、当店では全品とも品質保証しているので、電子部品のようなデリケートな商品発送には、必ず検品と厳重に梱包もしているわけである。まあ、いずれにしても、おかげさまで私はお客さんに大変恵まれていると思っている。お客さんも大変誠実で一生懸命修理なされているので、こちらも頭が下がり、感謝が尽きない思いなのだ。今回の一例は、40μF+40μF=80μFになる並列回路なのだが、コンデンサの並列接続定義の公式数値はあくまで、C0=C1+C2 であって、例えば、20μF+15μF=35μF というのも可能なわけである。これがコンデンサの直列接続となれば、公式定義はまったく異なるので、ここはあくまで2つのコンデンサを使って容量を増やす並列接続の話となる。

Drawing : FURUKAWAELECTRON
「おおっ! メンテナンス」より 2020/05/15
(2022/01/05)

ACコンデンサ(円筒形)メインページに戻る





制作・著作 フルカワエレクトロン

TOP