ジュリア・ファルコーネの初めてのフランス語オリジナル曲「Lettre à mes parents」を何度も聴きたくなるのは、心の琴線に触れてしまうからかもしれない。「両親への手紙」と題されたこの歌は、今どき珍しいメロディーで、懐かしい旋律と抜群の歌い方のうまさが光って穏やかな気持ちにさせてくれる。人の心が和む歌唱力といえる。歌のフレーズのなかに強弱が織り込まれていて、やさしさや心の葛藤を流暢に吐き出す歌い方は、まるで蚕が絹糸を吐き出すかのような繊細な繭に包まれてゆく心地良さだ。オクターブの広さや発声の抑揚は練習量の賜物だろう。自己流ではなく音楽科の基礎を身に付けたあらわれだ。聴いていて、しっとりと癒される情感豊かな美しい声には陶酔感も生まれてしまう。
全体に何がこうも惹き付けるのか、歌のうまさというより、若い純心さがメロディーにも重複しているのだろう。たとえ傷ついても、それは価値があることなのだと自分に言い聞かせるように、音楽自立への旅立ちを切々と謳う歌詞は、両親に向けて手紙のように語られてゆく。しかも、イタリアに生まれて育った当人の、パリやロンドンに憧れての旅立ちはさぞや夢と希望に胸がふくらんだことだろう。ピアノは11歳から始めたようで、シンガー・ソング・ライターを目指しているとのこと。何度聴いても飽きない珠玉の作品だ。19歳のエレガントな歌声に出会えて感謝、脱帽だ。本楽曲「Lettre
à mes parents」についてはCopilotの説明を付記しておく。
なお、この歌のアコースティックバージョンと共にオフィシャルビデオのバックミュージックにも注目したい。共にすばらしい動画だ。追加としてGiulia
Falconeの人気YouTube動画「SOS d'un terrien en détresse - Daniel Balavoine」も紹介しておきたい。