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電気用品安全法 臨時特集
日本工業規格(JIS)と電気用品取締法()の偉大なる功績及びそれらへの心外について これまで長年に渡って日本のエレクトロニクス産業が成長し続け、世界有数の発展を成し遂げて来た根底には、日本工業規格(JIS)と電気用品取締法()の長年の試練と積み重ねによる偉大な功績があったからである。もともと手先が器用であった日本人は、明治以降の紡績や繊維産業の歴史からも見てとれるように一流であった。電気産業も同じように手先の器用さが反映されてか、ますます近年のエレクトロニクス産業の発展は凄まじい勢いで世界トップレベルの顕在さを今日も維持し続けて台頭している。日本工業規格(JIS)と電気用品取締法()の成して来た伝統と役割は、われわれ日本人が最も安心して暮らせることを高く目標に掲げたものであって、その責務を果たして来た功績には、少なからずわれわれは誇りを抱くべきである。 今回あらためて私は自分の書棚からこれらに関連する書籍を引っ張り出してみた。大学生の時に買わされた『新訂版・JIS機械工学便覧』(1973年 機械協会)、自分が昭和57年に電気工事士免許を取得した頃に買った『解説・電気設備の技術基準』(1982年 資源エネルギー庁公益事業部編 文一総合出版)、『内線規程[電気技術規程使用設備編 JEAC 8001-1982]』(1982年 電気技術基準調査委員会編 日本電気協会)の3冊である。日本工業規格の基本中の基本と電気技術規程の基本が実に細かく網羅してある。電気事業法では、電気が近代社会に不可欠な文明の利器であると同時に、その利用方法を誤れば、人畜に危険を及ぼし、漏電火災の原因ともなり、また有線および無線の通信設備に誘導障害や電波障害を起こし、さらにはダム・ボイラー・原子炉などにも致命的な破壊が起こり得るし、まして人的な誤操作によっても重大なる危険性を含んでいるとして、それらの危険性や被害を考える時、電気の普遍性と電気施設の保安に関する規制は、当然の如く公共の安全確保のために極めて重要なことであることが、実に累々と明記され定義付けられているのだ。 そもそも電気用品取締法とは、従来の電気用品取締規則(昭和10年逓信省令第56号)の取締まりが行われていたわけであるが、社会情勢の推移によって次第にこの取締規則では実状に沿わなくなり、昭和36年に新たに法規制が改められて、電気用品取締法(第234号)が制定公布されたものである。この法律は元来、一般用電気工作物の用に供せられる電気機械器具および材料を規制するものであって、「粗悪な電気用品による危険および障害の発生を防止することを目的」としており、この電気用品取締法には「電気設備に関する技術基準」として次に掲げるような規制の項目がある。詳細については法令を読み込むことになる。 1.販売の制限(法第27条) 2.使用の制限(法第28条) 3.電気用品の技術上の基準(法第20条、第22条[昭和37年通商産業省令第85号]) 4.電気用品の例外承認と電気設備技術基準の制限(法第18条と特例) 一方、国家的標準化機関が審議制定し、国内全般に適用されるのが、すなわち国家規格である。工業標準化法(昭和24年公布)に基づき、当時の通商産業省内に設けられた日本工業標準調査会がその審議機関となっており、ここで議決されたものを日本工業規格(JIS)として政府が制定しているものだ。この国家規格であるJISは甚だ厳格である。3年経過するごとに再審議されて、必要に応じ改正または廃止されることとなっている。この精査され続ける偉大なる国家規格JISのおかげで、電気用品取締法も併行して厳密になってゆくのである。さらに審議団体として、学会や協会などの民間団体が最前線で審議制定することになっている。審議機関には、電気学会電気規格調査会、日本電機工業会、日本電気協会・電気技術基準調査委員会、照明学会、電線工業会からなる。各5機関の規格名称はそれぞれ、電気規格調査会標準規格、日本電機工業会標準資料、電気技術基準調査委員会・電気技術規程、照明学会標準規格、電線技術委員会標準資料となっている。 これらを背景とする厳格な電気用品取締法であるが、電気事業法における電気工作物の技術基準に検査合格した甲種電気用品には、いわゆるの電取適用マークを表示しなければならないようになっている。また型式認可番号の取得と表示も必要となっている。その他に用品の種類によっても、登録製造事業者やまたは甲種電気用品輸入事業者などの表示義務もある。さらに定格電圧や定格電流、定格消費電力、定格周波数、公称動作の規程数値の表示などさまざまだ。そんな電気用品取締法のの適用マークの信頼性と厳格さは、何と平成13年までのおよそ40年間にもわたる国家規格・電気技術基準規程の責任と重荷と役割を日本経済と社会産業の成長に大変寄与し果たして来たのであるが、今回の新しいPSEマークの出現で、あたかもの電取適用マークがいかにも古くて信頼性のないような表現をしている現在の経済産業省の言動と認識は、管轄省自らのこれまでの伝統ある長年の電気事業法の法律に対して実に心外な態度ともいうべきものである。今日まで培われて来た日本のものづくりやMADE IN JAPANの電化製品や電気電子機器は、世界でも稀れに見る優秀な生産を大方はして来たはずである。よりもPSEマークが信頼に足る見方は、軽率のきわみであり、PSEを支えているのがの伝統技術基準であることを忘れてはならない。JISや電気用品取締法の日本の伝統技術基準の格調や成長の基盤があればこそ、PSEなるものも現れるわけで、JISや電気用品取締法に基づく電気規程の知識や技術で以って電気の資格やあらゆるライセンスを取得して働いて来た現場の多くの人達にも、現在の経済産業省はもっと襟を正して敬意を払うべきである。彼らがわが国のエレクトロニクス産業を支えて来たのだ。日本のエレクトロニクス技術と産業に携わる多くの人々にも、そして、その優秀な電化製品がたとえ古くなって来たからといって、それらを大事に修理したり、中古家電を販売することで、物を大切にしようとするリサイクル事業者たちの労働にも、もっと敬意を払うべきである。 平成18年4月1日から施行の電気用品安全法(PSE)が、先週末3月24日遅くにやっとここへ来て大きく見直しされるような運びとなって来たのは幸いだった。ただ、レンタルを前提に検査猶予期間をもう少し先に延ばす、というのは、まだやはりどうもしっくりしない。官僚が机上で考えたようなPSEマークがあろうがなかろうが、日本の製造メーカーの品質管理体制を国はもっと信頼すべきである。故障は世界でも比類ないほど少ないほうであり、修理技術も非常に高いといえる。面白いのは、バブル期絶頂の頃の日本の電化製品は、当時の日本が今よりも自信を持って製造していたようで、結構頑丈に出来ているような気がする。日本の工場で日本人が多く働いていた80年代のメーカーの製品は、その傾向にあったようだ。当時としては、とてもいい製品を作っていた。ここだけの話しであるが、実は私が25年前に新品で買ったシャープの冷蔵庫と洗濯機がいまだに一度も故障せずに現役なのである。同じく25年前に買った三菱電機のブラウン管テレビも故障していない。画面もキレイだった。ただ、15インチの小型だったので、2年ほど前にもう少し大き目の画面に買い換えた。それはともかく日本の1980年代の代物は頑丈のようだ。と言うより、頑丈な製品が多かったのだろう。だが、いま問題となっている松下の20年~14年前のナショナルFF式石油暖房機は、排気ガスが室内に漏れ出し、場合によっては死亡事故に至る危険性があるとのことで、回収もしくは無料修理を呼びかけているのも事実だ。数百億円の損失を蒙りながらも正直に企業理念を徹している姿は、メーカーが遠い過去の製品とはいえ、自社ブランドの品質と伝統技術を自ら問う真摯な反省と、社会的責任を果たそうとしている謙虚な姿ともいえる。成長もしてゆくが反省もする企業のお手本だ。1985年~1992年製のものといえば、飽食の日本でやがてバブルが弾けてゆく頃の暗雲が漂い始める時期でもある。 今回のPSE法で5年前またはそれ以前の中古家電がレンタルでしか生き延びられないというのは、何か不自然な気もしている。行政から無償で貸し出す検査機で検査合格したものは販売できるそうだが、ここは一旦、業者も販売という商売を抜きにして、バブル崩壊後の90年代の日本製品の移り変わりにも眼を置きたい。リストラや人件費削減に走った日本メーカーの海外工場の進出、特に中国や東南アジアの工場で作られる日本製品の品質や日本技術の流失には、将来に禍根が残らないのか、不安はないのか、日本に残された下請けの中小企業や零細企業に影響はないのか、本当に今の日本経済はデフレ不況からすっかり景気回復したといえるのかどうか、地方に住む私にはまだ日本列島がいまだに迷走し続けているようにしか思えないのだ。日本政府が盲目にアメリカの資本主義市場経済と競争社会を手本とすれば、弱者は見捨てられ、強者はますます強くなり権力を広げてゆくことになる。競争社会は確かに所得格差を生む。所得格差が社会犯罪を多く招くのは歴史からも学べる。そして、格差社会のひずみがモラルの低下にも影響を及ぼすようになるのだ。モラルの低下は人間関係を冷淡にしてゆく。そんななか、今回のPSE問題で音楽家の坂本龍一や東儀秀樹らが強く異議を唱えてPSEの法律見直しに起ち上がってくれたのは、何よりも嬉しかった。弱い民衆側を守り、官僚言いなりの政府閣僚権限に抗して立ちはだかってくれた彼らは、さすがに日本が誇れる世界的な音楽家たちだ。音楽を超えて人間的にもヒーローだったのが、何よりも感動的だ。彼らのCDアルバムを持っている私は、ますます彼らの音楽に親しみと美しさと感銘をより深く抱いた。 (2006/03/27) TOP▲ リンク集 (電気用品安全法の問題について、これまでいろんな方面のWebサイトの記事・情報・見解・意見等を拝見して来ましたが、中古家電販売業者やリサイクル業者のことまでは考えていなかったという経済産業省の今回のPSEには、かなり深刻な問題が各方面に波及しています。リンクして紹介したいページがたくさんありすぎて、結局、困難な状態です。検索エンジンで「電気用品安全法問題」と入力すれば、一般庶民にとってこのPSE問題がいかに深いか、それに関わる多くの人達が声を大にして実に嘆いているのがよくわかります。中古品売買の死活問題だけでなく、楽器を扱うミュージシャンたちの悲鳴さえ聞えて来ます。取り返しのつかない音楽文化の喪失も訴えています。いみじくも映画界では、今年2006年度の第29回日本アカデミー賞に『ALWAYS 三丁目の夕日』が最優秀作品賞に輝いたわけですが、日本の昭和30年代にあった時代の温かみがこの映画には描かれているのです。なぜ今われわれが昭和30年代を求めて、そこに憧れるのか、そこには人情味のあふれた美しくて温かい日本文化や人間文化があったからです。殺伐とした現代より遥かに豊かな温和な人間的な日本の原風景が昭和30年代にはあったのです。ビンテージもののアンプなどには、その懐かしい芳醇な香り漂う温かな絶品の音質があるわけです。古くても、そこには優しい素晴らしい音楽文化というものがあって、それを何の特例もなく消滅させるような法令は、やはり欠陥があると言わざるを得ません。確かに古くて危険なものは製造上問題でしょうが、真の意味での電気用品の安全とは何かを、リサイクルの意図や本来の発想も考慮して再度検証してみるのも筋ではないでしょうか。法改正の見直しは広く国民救済のための使命であって欲しいものです。官僚優遇の法改正だけは避けて頂きたいものです。)(2006/03/09) TOP▲ ■電気用品安全法について電気用品安全法については、経済産業省Webサイトに新情報や通達等を含めて公開してある。2006年2月17日付更新の「経過措置の終了に伴う電気用品の取扱いに関して」が今いろいろと電気分野で話題となっているわけだが、その重要なお知らせが「電気用品安全法の規定に基づく旧法の表示に係る経過措置の内、販売の猶予期間5年のものが終了します」というもの。特定電気用品(112品目)及び特定以外の電気用品(338品目)の内、PSE新法マークが表示されていない対象製品は早いもので今年の平成18年4月1日以降、販売または販売目的で陳列が出来ないことになる。販売猶予期間が5年のものと7年のものと10年のものとあり、起算日が平成13年4月1日で、それぞれの満了日は次の通り。 5年:平成18年3月31日 7年:平成20年3月31日 10年:平成23年3月31日 主な対象製品は家電製品機器のように見えるが、特定電気用品(112品目)及び特定以外の電気用品(338品目)はすべて確認しておく必要がある。当店のような電子部品販売店ももちろん例外ではない。特定電気用品(112品目)の主要項目だけをピックアップしても次のものが対象となる。
今回の経済産業省の通達で問題が起きそうな販売品目としては、どちらかいえば家電品・産業機器・音響機器・医療機器・交流応用機器が主体となりそうだ。販売も陳列もいけないということだから、リサイクルショップにおけるそれらの機器は古いものがかなりあるだろうから、商売としては騒然となるところもあるかもしれない。旧型製品が対象となる新法では、今後とも予期せぬ事態があちらこちらで起きそうだ。古いものもちゃんと直して修理が出来れば良さそうなものだが、それでは新しい時代にそぐわないということなのだろう。昔のものが否定されて現在のものが肯定される仕組みには、贅沢な人間の使い捨て論理があるかもしれないが、オーディオマニアや真空管マニアにとっては煙たい事態ともなっているようだ。昔の温かい音質を求めるユーザーにとっては、きっと残念な法改正に違いない。優れたエンジニアでもある彼らマニアの心境を察するに、今後は木枯らしが年中吹きすさぶということに。電気レトロは危険で、原子力は安全のようだ。この国の過信と未来には、どんなお伽の国が待ち受けているのだろうか。しかしながら、法律は法律として遵守しなければならない。当店としてはあくまで電子工作や科学教材に役立ち、日本のエレクトロニクス技術が一層飛躍してくれることを高潔な気持ちとして常々望ましいと考える。さて、こちらのページにおいては、この電気用品安全法をめぐって、何か新しい話題や課題に遭遇すれば、また随時追記したいと思う。 (2006/02/27) |
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