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Fate / Stay Night ~ La Sola


アニメ『Fate / Stay Night』(2006)全8巻をレンタルDVDで観た。シナリオ:奈須きのこ/TYPE-MOON、キャラクターデザイン:武内崇。『Fate』シリーズはまだまだ先が続くが、2006年版のDVD「Fate」第8巻でのエンディングで流れた曲「La Sola」に感銘。音楽担当は作曲家の川井憲次、歌はソプラノ歌手の佐々木寿子。

世の中には、すばらしい世界がたくさんありすぎて、おどろくばかりだ。2004年に発売公開された伝奇活劇ビジュアルノベルゲームとして始まったこのアニメ『Fate / Stay Night』の続編は、2019年1月公開の劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterflyに至るまで際限なくわれわれを楽しませてくれている。私のようないい大人が少年青年向けマンガ「Fate」を観るのはいかがなものかと首を傾げる方も多いとは思うが、これらの作品を映画化するまでには膨大なスタッフ人員のなせるワザで仕上がっているわけだから、鑑賞者をひとくくりに若者向け対象アニメ作品と固定観念できめつけるのは早計だろう。シニア層がゲームをしなくても映画鑑賞すれば、それなりに価値は見出せるはずだ。作品のなかで出て来る聖杯戦争というカテゴリーには、シニア層なら昔の映画『インディ・ジョーンズ』シリーズでハリソン・フォードがキリストの聖杯を獲ろうとして、さんざんな目に遭うシーンを想い起こすに違いない。ところが、21世紀ともなると、聖杯は形ある物質ではなくなって、人間の体内に宿る魔法のような魂もしくは想像力の源に回帰する、というのがこのアニメ「Fate」を織り成す真骨頂なのだ。聖杯だの、魔法だの、体から剣が出るだの、剣から光のパワーが出るだの、怪物がピョンピョン飛び出すだの、ちゃんちゃらおかしいと思われる方は、けっして「Fate」は観るべきではない。眠たくなるか、眼球が疲れるか、血圧が上がってしまうから、やめたほうがいい。若い肉体と純な精神がなければ、作品のなかには、のめりこめない。

作品のストーリーはさて置き、曲「La Sola」の心地いい歌声を何度聴いても癒されるのは、プレシャスだ。サーヴァントの女剣士セイバーがあまりに純潔すぎて可愛らしすぎる。とてもすてきな一流のアニメ作品だ。


(2019/03/28)


文・ 古川卓也
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制作・著作 フルカワエレクトロン