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おおっ! メンテナンス

進化するエレクトロニクス
修理に追われるエレクトロニクス

電気ストーブの修理

2021年12月、今年最後の修理をした。愛着のある電気ストーブで安価な代物なのだが、昨年の冬頃からヒーターが点いたり消えたりする症状があったので、これは電気ストーブを室内であちこち移動させるために、電源コードのストーブ本体から延びた絶縁ブッシュ可動ゴム部分の耐熱ケーブルの半断線だとわかっていた。修理が面倒臭いので、次の冬までにまた新しく買えばいいや、と思っていたのだが、家電量販店でいろいろ見ているうちに、好みの形状と消費電力の(ワット)を比較していたら、自分っちのスリムなストーブの方を修理したほうがよさそうなので、結局、本腰を入れて修理することにしたのだった。

電気工事士でもある私はプロ用工具箱を取り出し、思い通りの結線をするために、先ずはストーブの電源コードの入った底部のネジを緩めて分解していった。やたらネジが多い底部であったが、中は単純構造であった。電源コードの内側と、外側コードの付け根を電工ペンチで切断。絶縁ブッシュの団子は廃棄。ストーブ本体の内側で上手に結線。圧着スリーブと絶縁キャップで配線完了。結線は圧着ペンチがあれば何てことない。絶縁の皮を剥いて、より線の導体を抱き合わせてよじり、大小中のスリーブの内、(ちゅう)のスリーブを通して圧着。スリーブから飛び出したより線はペンチでカット。あとは絶縁キャップを押し込んで結線は完了。電源コードの出口はマル秘加工。金属板の穴周辺は可動を考慮して絶縁ビニールテープで頑丈にテーピング。耐熱ゴム被覆の電源コードは若干短くはなったが、途中、ガラスチューブ内に加工されていた電線の導体が削られてむき出しになった状態で隠されてごまかされていたので、絶縁ビニールテープで応急処置。内部の雑さは中国製らしさを象徴していた。だが、もともと安価な代物だったのでやむなし。

無事に結線して底のフタのネジ止めにかかり、修理完了。ストーブが何ら問題なく点灯するであろうことを確信してコンセントにプラグを差し込み、ストーブ頭部にある切換スイッチでON。当然ながら点灯。この電気ストーブは台所でも使うので、いちばん喜んでくれたのは妻だった。コンパクトでスリムな形状なので運びやすくて600Wの消費電力なら手頃な維持費でもあり、それなりにけっこう暖かい。この時期、ほんのささやかなクリスマスプレゼントの一つになれば幸いだ。

(2021/12/08)





エアコンの水漏れ修理

2012年製の十畳用のエアコン室内機から、いつからともなくポタポタと水漏れがするようになっていたが、今夏、しぶしぶ思い切って修理することにした。室内には可愛らしい100均のゴミ箱が4個備えられていて、昨年このエアコンの水漏れ用として買っていたものなのだが、つい面倒くさくて昨年の冷房使用が終わった後もそのままにしていたのだった。もちろんゴミ箱にはゴミを入れずにキレイなまま保管をしていた。

今年も相変わらず暑くて、エアコンなくしては過ごせない。そもそも一年中四季とは関係なく、室内のエアコンは365日常に稼働させている。空調管理=商品管理=健康管理で、室内の温度・湿度に気を遣っているのだ。湿度が高くなると除湿もする。快適な空間を維持し続けるために、電気代のことは後まわしにしている。夏は冷房、秋は空気清浄、冬は暖房、春はまた空気清浄、換気もエアコンのリモコン操作で適時オン・オフしている。空調はすべてリモコン操作だ。

そんな便利なエアコンが10年も経たずに、室内機から水漏れがしている。大抵はドレンの目詰まりから室内機側に水が溢れてしまうのが原因だ。それで今夏2020年こそは、ドレンの掃除をすることにした。奮起して、とはいえ、しぶしぶ炎天下の狭いバルコニーに置いてある室外機のところまで行ってチェックすることにしたのだった。二階のバルコニー、というより、ベランダというより、猫の額にも等しい狭い場所に室外機は置いてあり、道路下まで5メートルの高さはある。室内機から出たダクトは天窓から下に伸びてドレンも一緒に巻き付けてあり、2メートルほどの高さでドレンのホースは切れている。その後に設置された塩ビの延長パイプにドレンのホースは絶縁ビニールテープでグルグルに巻かれてジョイントされており、ドレンの排出されてゆく水はその延長パイプを通って、道路下のビルの側溝に流れるように施工されているのだが、肝心の排出水はパイプの先端からは一向に落ちて来なくなっていたのだ。コンクリートの側溝ブタに落水の形跡がわずかしか見られなかったのである。こりゃダメだ、と私は本格的にドレンの目詰まりを清掃することにした。

室外機の横で塩ビの配管にジョイントされたドレンの末端ホースを確認するために、カッターでビニールテープを切り裂いてゆくと、何やらドロっとしたゼリー状のものがホースの先端から垂れ下がっているのを見つけ、それを引っ張り出すと長さが10センチばかりあった。ピンク色をしたもので、これがドレンホースの内部の至るところに付着しているのではないかと思い、今度はTVアンテナを張る時の青い絶縁ワイヤーを持って来て、それをドレンホースの中に差し込み、グイグイと上側奥へ突っ込んでいった。絶縁ワイヤーの先頭尖端部は?形に曲げてホースが傷つかないようにビニールテープで縛ってある。ほぼエアコン付け根あたりまで延ばせてゆけたので、長さは2メートルくらいに達しただろうか。私はゴリゴリとホースの中を突ついていった。ワイヤーをホースから出すと、やはりピンク色のゼリー状のものが何個か出て来た。室内のエアコンはもちろん稼働中であるから、ドレンホースからは案の定ポタポタと水滴が落ちて来た。それでドレンホースの先端を配管の口の中に差し込み、2階から1階の下まで排水するのかどうかを確認しに部屋を出て、道路沿いの側溝まで見に行った。

「おおっ! 水滴が見事に落ちて来ているではないか」と大成功を喜んだ。垂直方向から水平方向にカップリングされた塩ビの細い配管は、左90°に向きを変え、そのまま水平方向に2メートルばかし進み、そこから再び右90°に向きを変えて、2階の狭いベランダから今度は真下5メートルほど急降下して、配管は金属サドルでコンクリート建物の壁に固定されているので、ほぼ順調に流れ始めているのだなと私は判断した。この時点で私は塩ビの配管の中は、さほどピンクのヘドロは詰まってはいないのだろうと判断していたのだが、後になってみると、水平方向に伸びている配管の中は、まだまだ異物が残っているような気がしたので、ドレンホースと配管をビニールテープでがっちりジョイントする前に、排水口用の小林製薬の「洗浄丸 小タイプ」を投げ込んでおけばよかったかなと思った。投げ込んで、30分後くらいに水500ミリリットルを流せば、ひょっとして配管の中の異物はもっと撤去されていたかもしれない。道路沿いの側溝にはピンクがかったヘドロや白いヘドロが落ちていたが、いずれ下水管に流れてゆくだろう。

それにしても、カエルの卵のような、ゼリー状に包まれた卵のようでもないピンク色とは、いったいどんな成分なのだろうかと気になった。ゴミと言うより、「フィルターお掃除ロボット」と命名された自動掃除機能搭載のこのエアコン特有の排出物なのだろうか。「かき取って吸い取って、取ったホコリはホースから排出する」と説明がされている。室外機へ行くダクトの途中には弁が付いた放出管が出ており、これはホコリの放出管というよりも換気用のものに思えるから、きっと取ったホコリはドレンホースの中に水滴と混ざって排出されているのかもしれない。ナノイー内部除菌もあるから、この不思議なドロっとしたピンク色の正体は、2012年当時に考えられたエコナビ・センサとも関係しているのかもしれない。環境配慮をいちばん愛するブランドとして「eco ideas」という特徴も前面に打ち出している。ということで、室内機の水漏れは80%くらいは改善されたが、このまましばらく夏を過ごして様子を見ることにした。地球温暖化がさらに進んだ昨今、午後からの強烈な屋外温度には、まだまださらに一段の性能が必要なのかもしれない。使用寿命が10年ということらしいから、2022年頃には買換えが必要のようだ。

新型コロナウイルスによるCOVID-19の世界規模感染拡大大流行となってしまった2020年の今夏、これほど自分の身は自分で守ることをしなければならないと思った年は、かつて無かったように思える。新型コロナウイルスSARS-CoV-2は、いまだ恐ろしく「未知なるもの」であるが、それよりもっと怖いのは「無知なるもの」がおびただしくまわりにいるということだ。この未知なるウイルスがどれほど恐ろしいものであるかを、まったく誤解してしまっている人達の多いことに、ただ呆然としてしまう。SARS-CoV-2は極めて小さく100nm程度くらいしか大きさを持っていないので、空気感染してしまうくらいに密室で3時間は浮遊しているのだ。もし感染者に接触して感染してしまったら、年齢に関係なく人の臓器を蝕むから、後遺症はその人の生涯にわたって影響を残してしまう。若いから感染しても、そののち回復すると安易に思っている若者たちは、気の毒だが、感染後には肺胞が線維化してしまい、元の健康な肺は取り戻せなくなるのだ。酸素が思うように取り込めなくなるので、軽い運動さえもがしにくくなるかもしれない怖い病気である。健全な血液が隅々に行き届かなくなるので、あらゆる臓器に支障を来してしまう。始末の悪い人類史上最悪のウイルスであることを知らない、ということほど、人に感染させてしまうリスクはかなり高い。日本政府もメディアも成す術なしという態度は、真実を隠しているわけではなく、他力本願に頼っているようではダメだということである。自分の身は自分で守る勉強をしないと、今の世の中では生きてゆけないということだ。感染しても「軽度だから」とか「中等症で重症ではない」という言葉に翻弄されないことだ。新型コロナウイルスにはけっして罹患してはならない、という絶対的な防御姿勢が必要である。COVID-19には軽いも重いも実はないのだ。生か死か、どちらかしか道はない、と思ったほうが利口である。

(2020/08/07)
(2022年5月に十畳用の新しいエアコンとすでに取替完了済み)




ACコンデンサの並列接続

電気工事士としての現役の仕事を終えたのは、今からもう20年くらい前のことになるだろうか。前の実店舗会社(パーツショップ)を退社して、現在のネットショップであるフルカワエレクトロンを創立して間もない頃、1999年に委託された制御機器の配線作業および組立製作が最後の仕事だったような気がする。それ以降はパソコンでの仕事が主体となって、いつの間にか電子部品販売の通販ショップへと変わっていった。回路図を見ながらエレベーターの保守点検作業や一般家屋新築の際の電気工事配線などもしていた頃は、遥か遠い20代の頃なので、並列回路などの図面を書くのは、何だかおこがましいような気がしないでもない。

この頃、ネット販売でよく相談を受けるジャンルのなかで、ACコンデンサの交換作業について相談事例の一つを取り上げることにした。拙い回路図面を下に書いてみたのだが、回路設計は本業ではないので拙い箇所はご勘弁していただきたいと思う。今回の要望は、ACコンデンサでAC200V用の80μFはありませんか、というものだった。以前から時々、当店在庫リストに無い容量のものを要望されることがあり、要望される相手に応じて、電気に詳しければ応じたり、電気のことが通じない方には御遠慮していただいて来た。電気法令遵守というものがあり、安易に電気修理されるとケガを負ったりヤケドしたり危険が伴う世界なので、私はなるたけ会話やメールでの文章から判断するようにしている。いくら修理の意気込みがあっても、素人技術を見抜いた場合は、相手にケガや火災事故に巻き込まれないよう人災損害補償の観点から御遠慮させていただいている。これは私の過去の経験から譲られない。電気工事士の先輩たちから厳しく教わって来たからだ。

ただし、会社の営業やそれなりの自己責任で購入される場合は、問題なく販売している。いくらネットショップとはいえ、何でも売れればいいというものではない。こちらにだって販売責任が伴うし、商売は誠実でなければならない。また、当店では全品とも品質保証しているので、電子部品のようなデリケートな商品発送には、必ず検品と厳重に梱包もしているわけである。まあ、いずれにしても、おかげさまで私はお客さんに大変恵まれていると思っている。お客さんも大変誠実で一生懸命修理なされているので、こちらも頭が下がり、感謝が尽きない思いなのだ。今回の一例は、40μF+40μF=80μFになる並列回路なのだが、コンデンサの並列接続定義の公式数値はあくまで、C0=C1+C2 であって、例えば、20μF+15μF=35μF というのも可能なわけである。これがコンデンサの直列接続となれば、公式定義はまったく異なるので、ここはあくまで2つのコンデンサを使って容量を増やす並列接続の話となる。




(2020/05/15)




「あなたも傘職人」と言われて

自宅から車で10分くらいの距離にあるホームセンター「コーナン」(本社:大阪)で見つけた「あなたも傘職人」という部品が今回大変役立った。使い捨ての傘や安価な傘が壊れたのであれば買い換えればいいだけの話しなのだが、私の日傘だけは市内に同じようなものがなかなか無くて困っていた。この際奮起して手持ちの部品で修理を試みたのだが、今一つ上手くゆかなかったので、いろいろホームセンターをまわって部品を探してみたが、思うように見つからなかった。結局、最後の砦となる「コーナン」に無ければ、諦めるしかないかと覚悟しつつ、「コーナン」に立ち寄り、「おおーっ、あったあった、さすがコーナン」とばかりに心のなかで歓喜したのだった。その部品名がこれまた「あなたも傘職人」というネーミングに多大なる親近感が湧いてしまった。私が探していた部品のイメージがそのままパッケージに納まっているではないか。しかもいろんな種類が並んでいたので、思わず感動してしまった。探していた部品が見つかるというのは、時にこんなにも感動するのかとあらためて思い直した。店側とお客側とがこんなふうに一体化することの大切さをあらためて痛感した。電子部品販売も同じことが言えるのではないかと再認識したところだ。欲しいものが見つかり、買う、という行為は、感動でもあるのだろう。

ところで、なぜ私の日傘がそんなにも唯一無二なのかというと、日傘男子と言われようが、女性っぽいと言われようが、どう人が偏見の眼差しで見ようが、まあ誰もそんな私に関心を持たないだろうが、私は構わずその日傘を愛用しているのである。日差しの強い危険な熱中症対策にもなるし、強烈な紫外線から身を守ることにもなる。もともと、心筋梗塞で入院治療していたときに初期の緑内障だとも宣告され、いずれ右眼が症状悪化するだろうと言われた。退院後しばらくのあいだ、半年ちかく蛍光灯や白いガードレール、それに白い横断歩道がやたらまぶしくて、まともに直視できなかったので、外出時はメガネの上からも掛けられる大きい黒いサングラスをかけていた。7種類もある薬の副作用なのか、3年半にわたる薬剤との葛藤は、与えられた残りの人生を展望したとき、より長く生きるために私は思い切ってそれらの治療薬とはすべて決別することにしたのだ。それも医師とは相談もせずにだ。治療して生還させてもらった大学病院とはまったく別の個人病院からの処方で、それらの薬はもともと大学病院から引き継がれた処方であるから、個人病院の先生には何も責任はない。私が自らいろいろ勉強して勝手に判断した決断なのだ。

薬をやめて今ちょうど1年になるが、現在、当時のふらつきやまぶしさは一切なく、絶好調ではある。健康で生き続けるために、生活習慣を改善し、食事、運動、睡眠、ストレッチ、とあらゆる自ら出来ることを毎日規則正しく努力するように心がけており、神経質に血圧を頻繁に測ることもない。体重もBMI(ボディマス指数)も至って理想的な方向にあり、何もかもが正常のように思える。持病の心臓病も克服するために、毎朝ストレッチと腕立て伏せは欠かさない。睡眠時間も何時に床に就こうが、必ず8時間は横になっている。今は生きられていることが大事で、仕事も大事だが、健康を維持できることが最優先となっている。軟弱な心臓には負荷をかけることも大事なので、有酸素運動も無酸素運動も意識的に継続している。スクワットも日々欠かさない。また、ストレスになるようなものには、断ち切る意志も持っている。

話しがついつい逸れてしまったが、私の日傘はそもそも一眼レフでの撮影時に必要なもので、日傘があると無いとでは、撮影モチベーションに雲泥の差が出てしまうのだ。三脚を立て、画角や好きなアングルが決まって、レリーズでシャッターをきる時、光だけでなく時間をコントロールするための忍耐に日傘がどうしても必要なのだ。炎天下のひまわり撮影ともなれば、なおさらである。しかも、この私の高価な日傘は表が銀色単色布地で、裏は黒色単色布地に草花紋様がうっすらと浮かびあがるオシャレな日傘となっており、日除け効果は抜群なのだ。私はプロ写真家ではないが、写真家には実にふさわしいプロ愛用の日傘だと思い込んでいるから、始末が悪いアマチュア写真家かもしれない。だが、この図々しさこそが、最高の被写体をゲットできると信じている。傘骨が2本折れてしまったこの愛用日傘も、「あなたも傘職人」の部品を使ったら、見事に元の原形の日傘に復元でき、今は大満足である。電気工事士でもある私は、プロ職人が持つ自前の工具で修理したが、工具の使い方もプロなので、入り込んだ傘の修理には、ある程度の工具さばきも必要であろう。下に紹介した画像が「あなたも傘職人」の部品である。たかが折れた傘の修理自慢で情けなくもあるが、何事も修理がうまくゆくと、案外と楽しき時間ではあるのだ。傘の修理に使用した部品代、税込167円なり。本体価格、155円。三ツ爪(小)タイプのスペック4本入り。

(2019/09/19)




電子レンジ

今月ある日突然、わが家の電子レンジの液晶時計表示が消えた。いろいろ触ってみたが、故障のようだった。毎日使うものなので、これは本格的な修理が必要だと思い、順次、チエックしてゆくことにした。私は電気工事士の資格を持っているので、修理してもよいことになっている。それぞれ、あやしい箇所から順次チエックしてゆくことにした。先ずは電気コンセントからACプラグを抜いた。

(1) ヒューズ   電子レンジ筐体の解体から始める。キャビネット筐体の側面には電子レンジ内部の回路図面が貼付してあり、真っ先に確認しておきたかったのが、電子レンジのヒューズだ。キャビネットは絶対に外してはいけないと注意書きがあったが、内部構造に注意しながら安全重視の電気屋さんでもある私は修理しなければならないので、先ずスチールの筐体を外してゆくと、電気回路の基板が見えた。電子レンジ専用のヒューズがあったので、取り外して、テスターで導通チェック。異常なしだった。ヒューズは切れてはいない。この電子レンジ用ヒューズは、冨士端子工業のヒューズカタログに記載されているものと同じ仕様のものだ。特性はタイムディレィ(Time Delay)で型番はMWOというもの。寸法は、径6.35mm×長さ31.8mm。タイムディレィ型はUL規格用語で、通常の溶断型より規定に沿った条件で、やや遅れて溶断してゆく。

本来ヒューズには通常型よりも逆に早く溶断する速断型もある。機器の使用目的によって元来ヒューズは適時それぞれに応じて設置される。溶断スピードは、遅い順番から、
  タイムラグ型やタイムディレィ型<通常型<速断型
の順番に分類される。

(2) 内部ショートの痕跡   電子回路の詳細は判らないが、電気回路にショートなどの焼けた痕跡がないか、一応調べてみた。それらしき痕跡は無かった。内部基板はどう見ても異常なし。

(3) ターンテーブル   ターンテーブルの下に食品の焦げカスの固まりを発見。あらためて庫内をキレイに清掃。ターンテーブルのメカニックをあらためて知る。電源オフで駆動しない場合は、手で回そうとしてもターンテーブルは少ししか回らない。電源オンにすると、ターンテーブルの下にある支え軸が上側に少し持ち上がり、その状態で回転することが判った。安全センサでもあるのかと一旦は推測した。あらためて、電子レンジの筐体を組み立てる。が、なかなかうまくキャビネットが嵌まらず、悪戦苦闘。筐体の構造をよくよく確認してゆくと、スチール同士の複雑な嵌合溝を発見。左右側面続きの天板と正面機器との嵌合をうまく嵌めて、元の姿に成功。

(4) 液晶表示   電子レンジを元の水屋のスライド式の引き出し台にのせて、再びACプラグをコンセントにつなぎ電源オン。すると、液晶の時計表示が点灯。無事に電子レンジは直った模様。引き出し台を奥にひっこめて再設置。これで電子レンジの修理は直ったものと思いきや、またも液晶時計が非表示に。私は不審に思い、電子レンジのタッチパネルをいろいろ押してみたが、無反応の液晶は非表示になったままだった。通電なし、ということは、電気が来ていないことに疑念。で、電子レンジ本体の背後にあるAC電源ケーブルの付け根を少し手で押さえてみた。すると、液晶表示がまたパッと点灯。これは付け根の部分が半断線になっていることに着目。付け根の部分を外して、そこを修理してやれば直ると思い、確認のため、もう1回そろりと押してみた。これが失敗だった。

(5) ショート   なぜ、その電源ケーブルの付け根部分が老朽化たように弱くなっていたのかを、先ずは考えるべきだった。電子レンジのスライド式置台が前後に可動式だったために、よくこれが少し飛び出すことがあり、電源ケーブルがひきずられて動き、知らぬ間に劣化を招いていたようだった。このわが家の電子レンジの使用期間はおよそ25年だが、この新しい食器棚に据えたのが2010年の頃なので、スライド式置台に設置してから約8年ということになる。つまり、17年間は固定の台に据えていたので、電源の付け根は強固なまま、時が過ぎて無事だったということが解釈される。電子レンジをキッチンに設置するなら、固定した台におかなければいけないことをあらためて思い知ったわけである。電子レンジ本体の背面から出ている電源ケーブルの付け根を数度押したことが悪かった。その部分からパチッと鳴って火花が出てしまい、ショートさせてしまったのである。ACプラグをまた外して、仕方なく付け根部分を筐体の中から引っ張り出してみると、電源ケーブルがコネクタに装填されており、二つのコネクタ端子を導通チェックしてみると、電源ケーブルが溶解して短絡しているようで、これを直すには、電源ケーブルを外し、悪いところを10cmくらい短く切って、新たに半田付けして、コネクタに接続してやれば復活するかとは思ったが、ショートさせた時、内部回路に不具合でも生じていれば、かえって危険と判断し、電子レンジは買い換えることにした。火災の原因にでもなりかねないので、25年間も使用してきたのだから、お疲れ様、ということになった。

(6) 廃棄と新品   壊れてしまった電子レンジは、車で市内の巨大なリサイクルプラザまで持って行って処分した。宇部市環境保全センターで不燃ゴミとしての廃棄料金は280円だった。想像以上の格安である。電子レンジは25年の歳月が経つと、ずいぶん使いやすいものになって、オシャレになった。私はリサイクルプラザを後にすると、市内の家電量販店コジマに向かった。ネット広告に出ていた白色の電子レンジを予定通り購入した。重量は相変わらず重くて、12.5kgだった。廃棄したものよりも0.5kgほどは軽くなった。家で新品を設置する際、スライド式置台には左右に(くさび)のようなものを入れて、飛び出さないような工夫をして設置した。この水屋には他にもスライド式の可動置台があり、炊飯ジャー用のものとなっている。広いスペースには食器乾燥機などもあるので、新品電子レンジは従来の場所にやむなく置くことにした。結果として、電子レンジは固定台に置くべしと今更ながら反省した。

【備考】 電気資格をお持ちでない方は絶対にマネしないで下さい。筆者は電気工事士の資格を所有しており、長年の実体験も豊富にあり、上記体験談を書いております。

(2018/10/25)
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AI(artificial intelligence)

文明は進化してゆくのに、人間の身体は一向に進化しない。むしろ年齢を重ねるごとに、退化している。しかし、医療だけは進化してゆく。先進医療のおかげで、われわれ人間の寿命はますます延びている。生きれるかぎり、誰でも健康で生きてゆきたい。では、エレクトロニクスの世界では、どうだろう。

人が何かに向かってしゃべれば、人の音声をひろって瞬時に解析し、判断して機械装置を安全に動かす。手足など不自由な障害者にとっては便利なAI装置でもある。用途に応じては、AIは未来への希望となる。EV車に自動運転のAIを搭載して、行きたい所まで行けるようにナビをセットしてやれば、自動で目的地まで運んでくれる、そのような時代が間もなく来るのだろう。道路を走るより、いっそ道路の上を飛んでゆく乗り物でもあれば、そちらのほうが遥かに安全な気がするが、映画のようにはゆかないだろう。100年後、200年後には、それにちかい世界が実現するのだろうか。人間はAIよりも遥かにすぐれたセンサの塊りを搭載しているのだが、所詮は、AIは人間のサポートくらいにしかならないかもしれない。数学的にはAIロボットのほうが人間よりも遥かに凌ぐ計算力を持っているので、将棋の対局などにおいては、AI搭載の電子ロボットのほうが有利だろう。AIは文明の進歩ではあるが、文化には乏しい。蓄積された知識を判別するだけで、自らが創造することはない。機械は電気で動くが、電気回路や電子回路に電流は流れても、感情は流れない。当たり前のことなのだが、なぜか人間は時に、脳にセンサ・パットを付けて、脳が働くエネルギー信号を波形に変え、量子レベルを電子レベルに変換してまで、人間の持つ感情や人格までをも科学分析しようとする。医療につながるのであれば、これも正当な道筋なのかもしれない。人間は着実に進化していると確信するが、ハイテクは時に傲慢でもある。つい、映画『ウォーリー』(2008)を思い出す。




修理

作れば、壊れる。歴史を繙くと、形あるものはいつか壊れるもので、それを人間はいつの世も繰り返している。しかし、作らなければ、人間ではないような気がする。動物や生物や昆虫は棲家こそ作りはするが、人間が作り出すような文明や文化は作り出すことは出来ない。当Webは電子部品販売専門店なので、エレクトロニクスの世界に限って考えてみる。

いったい、これまでどれほどの人達と関わってきたのだろう。電子部品販売を続けて今年で33年にもなるが、わたしの知識や技術は一向に進歩もせず、これといったものがまるで無い。そんな、ど素人のわたしのまわりには、いったいどれほどの優れたエンジニアが往き来していったのだろう。何百万人とまでは言わないが、実店舗とネットショップで関わってきた単純計算をしてみると、何十万人かのエンジニアと関わってきたのは間違いなさそうだ。別に電気専門のエンジニアでなくても、他の職人でありながら、電気のプロも多い。趣味が高じてプロのエレクトロニクスエンジニアも多い。日常ごく普通に暮らしてゆく上で、ありとあらゆる分野でエレクトロニクスの世界と深く結びついてしまうのだろう。今日、電気は不可欠である。趣味や仕事を続けてゆく上でも、案外と不可欠なものである。

作る人もいれば、修理される人もいる。研究する人もいれば、実験される人もいる。昨今では修理される人がきわめて多いような気がする。自然災害が多いのも要因しているかもしれないが、いろんな機械や電気機器の寿命にもよる。昔の日本はいいものをたくさん作って来たが、1990年頃を境にして、バブル崩壊後、高価な贅沢品は少なくなり、ちゃちな機器が出始めて来たような気もする。つまり、寿命が早い機器を作ることで、製品の買い換えを暗黙の内に勧めているのだ。ところが、製品の中に組み込まれている電子部品だけは、機器の外観からは見えずに、進化し続けている部品が多い。性能もアップするし、コストダウンにもつながっている。エアコンやブルーレイレコーダーや液晶テレビがそうだ。では、何が故障してゆくのかといえば、それはファジーである。新しい製品だから当面は故障しないかというと、それもファジーである。電器店の先輩がよく言っていたのは、それはたまたま運が悪い家電製品に当たってしまったのだと、そう言っていたが、自動車でも言えそうだ。わたしにもいろいろ心当たりがあるから、なるほど、運が悪いだけなのか、と思いたいところだが、買った側からすれば冗談じゃない、と言いたい。家電量販店は5年保証期間を設けているが、5年過ぎると、案外と機器は脆さを露呈してくる場合もある。その多くが日本製ではない。

現在も買い換えずに現役で生き続け稼働するわたしの自慢の所有物を恥ずかしながら述べてみると、最高齢の家電商品は48年、次が38年、ハイエンド・オーディオ機器に至っては28年、いずれも名高い国産品と、スピーカーだけアメリカ製である。不滅の名器と言いたいところだが、それなりに使用し続けて、エージングは怠らないのだが、いつかは動かなくなるのであろう。その前にわたしの寿命のほうが心配でもある。機械よりも人間のメンテナンスが欠かせなくなってしまった。わたしは実は2週間前に命懸けの大いなる決断をして実行しているのだが、自分の命には自分の叡智と意思で向きあいたいと思っている。修理は人任せではなく自分自身の情熱だと言いたい。人間の身体も情熱なくして、何の意味があろうか。活きるとは、そういうことではないだろうか。

(2018/10/05)
古川卓也


(トップ画像は2019年3月やまぐちきららドーム模型展示会にて撮影)



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制作・著作 フルカワエレクトロン

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