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水神太鼓  Photo Gallery
(電気職人奮闘記)
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新川市まつり
宇部市の中津瀬神社横にて2019年5月5日に「うべ狐の嫁入り」お祝い神幸で奉納披露された宇部太鼓(市民活動団体)の「水神太鼓」に触れてみる。紙垂(しで)を取り付けた3個の水色ドラム缶には、「水」「神」「太鼓」の文字がそれぞれ正面に書かれており、下には中津瀬神社の文字がある。並んだ3個のドラム缶の上には最初から水が張られており、前奏では使われないが、演舞演奏の終盤には、太鼓のバチが一斉にドラム缶を叩き始め、打ち鳴らされてゆく。と同時に、ドラム缶の表面には常に水が張られるような仕掛けとなっていて、ドラム缶の表面後方にのぞいた塩ビのエルボにはホースがつながれており、適量の水を注ぐ担当もいるようだった。


映画『その女諜報員アレックス』のドラムサウンド
ドラム缶の上に張った水を勢いよく叩けば、水しぶきがご覧のように飛び散り、叩かれた独特の音も舞い上がる。2019年の水神太鼓の撮影からおよそ4年が経つが、私はふっとオルガ・キュリレンコ主演の映画『その女諜報員アレックス』(2015年米)を思い出してしまう。映画の始まりから凄まじいドラムラインのような太鼓が鳴り響くが、それは南アフリカのケープタウンで巻き起こる銀行強盗の正面入口ちかくの段差のある横で、貧しそうな黒人二人が太鼓代わりの粗末な20ℓ入り用の空のペンキ缶などを逆さにして叩いている音だった。粗末な容器を5、6個ドラムのように置いて演奏しており、一人は木の棒のスティックを使い、下のもう一人はティンパニを叩くような、白いフェルトをグルグルに太く巻き付けたマレット(バチ)で叩いている。この映画を象徴するような弩級のドラム演奏は圧巻で、すばらしい音質効果とリズムの音色がアレンジしてあり、映像にもそれは現われている。汚いペンキ缶からはホコリまみれの粉塵が煙のように舞い上がり、強盗チームが仲間割れして銃弾を受けたダチがガラス扉を割りながら後ろへ倒れ込み銀行から出て来るシーンのところで、呆気にとられた黒人二人の演奏は一旦鳴り止むものの、一人の強盗がドラム演奏していた黒人たちの貧相で欠けたチップ入れプラ容器に、丸めた紙幣束をポイと投げ込んで立ち去るシーンも、なかなかの粋な計らいとなっている。LEDライトバーとボイスチェンジヤーのハイテクスーツのようなもので身を包んだ強盗団の一人がオルガ・キュリレンコで、今はこの映画のストーリーについては触れず、驚異のサウンドクオリティーについてのみ触れてみたい。


原題:MOMENTUM  オルガ・キュリレンコ (アレックス・ファラデー役)



このド派手な映画のオープニングサウンドは、他の映画ではなかなか味わえない超絶なイントロ音響で、ストーリーを集約したかのような醍醐味アクションの展開を暗示しているものだ。一度ホームシアターのサウンドで鑑賞したら、一生忘れられないようなサウンドエフェクト満載のドラムリズムで、優れた打楽器奏者の迫力満点な驚愕音響世界といえる。この映画だけはTV音だけでの鑑賞はNGで、このミュージック・エフェクト満載の大迫力サウンドは絶対にホームシアターのアンプを通すべし。最近のサウンドバーで鑑賞するもよし。私はオーディオホームシアターのマーティン・ローガンで鑑賞し驚愕体感している。そして、今回のドラム缶演舞「水神太鼓」の執筆のために、ソニーのサウンドバーHT-G700も通して映画『その女諜報員アレックス』を全部鑑賞し、オープニングから全編サウンドの音質を再確認してみたところだ。映画鑑賞はできるだけ秘められたサウンドを逃さずに観たいものだ。作品自体の評価はあまり高くないようだが、ホームシアターでサウンドを出してきちんと鑑賞すれば、全く評価は変わるだろう。

銀行強盗だの銃撃戦だのカーアクションだの娯楽映画では定番の構成となるが、いろんなサウンドや曲との出会いも楽しんでいる私にはそれだけでも充分な感動ともなるのだ。その音楽性の高さを知れば、この映画は決してB級映画ではない。オルガ・キュリレンコの立派なアクション映画だ。また、6か国語(ウクライナ語・ロシア語・英語・フランス語・スペイン語・イタリア語)も操れるオルガ・キュリレンコは逸材のアクション女優でもある。007シリーズの『慰めの報酬』や『オブリビオン』『ブラック・ウィドウ』など大作出演に忙しい彼女だが、すぐれた俳優にはいつも必ず音楽やサウンドも優れたものに包まれているから素晴らしい。




水神太鼓 Photo Gallery(スライドショー)

(2023/04/10)
文・ 古川卓也
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制作・著作 フルカワエレクトロン

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