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花崗岩と石仏誕生までの軌跡を探る |
文・ 古川卓也 |
序文 (1)自然石の花崗岩に石仏はどのようにして彫ったのか、第一の謎 序文 モース硬度6の花崗岩に対して、石仏を彫りやすい安山岩や火山系凝灰岩は硬度2とされる。ちなみに水晶は硬度7、ダイヤモンドは硬度が10となる。数字が高いほど硬くなる。花崗岩は言わば鉱物の結晶体の集まりなわけで、中でも組成される石英は水晶であり、他にピンク色のアルカリ長石や黒雲母といった鉱物と、あとは緑色を帯びた黒色の普通角閃石(ホルンブレンド)の有色鉱物などが含まれて形成されている。1mm以上もある比較的粗粒の結晶から構成された火成岩、すなわち深成岩こそが、地球のマグマからほど近いところでゆっくりと冷却された場合にのみ、この花崗岩が形成されると考えられている。地球が形成された46億年前から、先カンブリア時代、古生代、ジュラ紀・白亜紀の恐竜がいた中生代、最古の人類が登場した新生代といった永い年月を経る過程で、数十億年から何千何百万年もかけて地球が火山活動と地殻の変動で隆起を繰り返すごとに、地表にいろんな山脈や岩脈がさまざまに形を変え露出して来たのかと思うと、実に気が遠くなるようだけれども、宇宙における水の惑星こと地球の壮大なドラマのなかで、われわれ一人一人の人間の命や動物や植物などのすべての生物の個体の命が、常に一瞬の生誕にすぎないのもよく実感できる。 [参考資料: 『花崗岩が語る地球の進化』(高橋正樹 1999年 岩波書店)] (2006/07/27) |
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制作・著作 フルカワエレクトロン |