サシン・ティプチャイ (Sasin_Tipchai)  作品 「Village - 棚田~実りの秋」



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 農耕文化

タイの写真家、サシン・ティプチャイ (Sasin_Tipchai)氏の世界が何とも素晴らしい。タイの棚田は狭い丘陵地も有効に使って生きるために、灌漑用水を整備し棚田を悠然と作ってゆく。けっして美しい観光地目的に仕上げるための農耕作業ではない。整然と仕上げてゆく田畑は労働作業が素晴らしいからだ。業種に関係なく仕事をキレイに仕上げるのは、どの世界でも共通といえる。時間をかければいいというものではないし、効率よく手際のいい作業ほどその道のプロの姿勢が窺える。キレイに仕上げる仕事ほど綿密な技術の積み重ねがひそんでいるものだ。何度も何度も失敗やケガさえ乗り越えて、積年の匠のワザをさりげなくこなしてゆく。見事と言うほかない。昔の文士はそれをあえて「美事(みごと)」というふうに言葉を置き替える。なんて美しい農耕文化だろう。

サシン・ティプチャイ氏のその他の印象に残った作品
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下の作品3点は、一見平凡に見えて、実は奥深い撮影の非凡さに驚く。できるだけ原寸の大きさで、サシン・ティプチャイ氏の作品を鑑賞してもらいたいために各専用ページを設けてみました。今の日本人がすっかり忘れてしまった郷愁がそこにはあり、その原因は経済大国日本の矜持に起因していると思われるからです。世の中には失ってしまうものもあれば、けっして失ってはならぬものもあるのです。いくらカネや物が豊富であっても、心が貧相では、せったかく与えてもらった命にも翳りが生じてしまいます。常に学んでゆくことの楽しさや、今までに出会ったことのないものに自然と新鮮な感動が湧いてくれば、己れの視野も広がるというものです。そこを是非とも堪能してみてください。人間の本性として、狭い了見では人生にやたら不満が出るだけでしょう。タイの写真家サシン・ティプチャイ氏の世界観の表現には、作為もなく奇抜もなく、自然な包容力と温かみがあって、何とも微笑ましく味わい深いと思いました。世の中にはいろんな写真家がいて面白いですね。




サシン・ティプチャイ (Sasin_Tipchai)  作品「本(book)」
学ぶことの大切さを子供たちに教えている美事な写真だ
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サシン・ティプチャイ (Sasin_Tipchai)  作品「滝の前でひとやすみ」
滝のあるジャングルの水辺で休憩をとる女性は、ツル籠をしょった美人
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サシン・ティプチャイ (Sasin_Tipchai)  作品「タイの学生たち(thai)」
学校で学生たちに集まってもらって、「ハーイ」の記念撮影
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(2024/09/03 - 2024/10/04)
 古川卓也

タイの写真家サシン・ティプチャイ (Sasin_Tipchai)氏の世界
Photo : sasint - Pixabay
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制作・著作 フルカワエレクトロン

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